パテ盛りを行った後に、大きな歪みが発生するのはなぜなのか?

パテ盛りを行った後に、大きな歪みが発生するのはなぜなのか?

ヘコミの修理で、しっかりと板金したにも関わらず、パテを盛り付けて研ぎ始めると、鉄板が歪んでしまうことがありますよね。

この現象は、プレスラインの少ないドアやボンネットなどで頻繁に起こりますが、ある程度注意しながら作業を進めれば解決策や対応方法も見えてきます。

パテから発生する熱により鉄板が歪んでしまう

これが最も多い事例です。

パテは硬化していく際に非常に大きな熱を発生させ、手で触れないほどまで熱くなってしまいます。

軽自動車などの薄い鉄板であればなおさらですが、少しの熱で歪んでしまいますので、パテに熱が発生しにくいように盛り付けていく必要があります。

では、どのようにしてパテを盛り付けていくのがベストなのか?

パテは可能な限り薄く盛る

余ったパテをどこに捨てているかは人それぞれですが、仮に段ボールに擦り付けるように廃棄するとしましょう。

この段ボールに擦り付けられたパテの厚さは、ボディに盛り付けたパテよりもかなり厚くなっていますよね。

このパテを触れば分かりますが、とてつもなく高温です。

触れません。

パテは厚ければ厚いほど高温になる性質がありますので、薄く盛り付けることでパテの温度が上昇しにくくなり、結果として鉄板の歪みにも繋がりにくくなるということです。

しかし、大きな修理ではパテを多く盛る必要がありますので、一度にたくさんのパテを使いたくなるでしょう。

何度も何度も薄く盛っては研いでを繰り返すのではとてつもない時間がかかってしまいますから。

厚く盛るためには、あるテクニックを使うことで鉄板の歪みを和らげる方法があります。

鉄板の内側にパテを盛る

特にDIYでの修理となれば、熱による「絞り」ができませんので、鉄板は伸びたままパテ付けを行わなければなりません。

伸びた鉄板はパテの硬化と熱に寄り収縮しようとしますので、結果パテの熱で鉄板は歪んでしまいます。

1度目のパテ研ぎ後に改めてパテを盛りますが、ここでもまた鉄板は歪んでいきますから、裏側にパテを盛ることであらかじめパテの力で鉄板を引っ張っておき、その反対側(表側)からパテを盛ることで鉄板の歪みを最小限に抑えられます。

この際に注意しなければならないのは、ただ盛るだけではなく、簡単に足付けだけはしておきましょう。ということです。

足付けも何もしないままパテを盛り付ければ、振動ですぐに落ちてしまいます。

必ず足付けは行って、剥がれ落ちることのないように心がけましょう。

太陽の熱でも鉄板が歪む可能性はある

直射日光の下で作業をする人はほとんどいないと思います。

いわゆる「青空塗装」と呼ばれる塗装方法もありますが、真夏の40℃近くにもなる環境で塗装や板金の作業をする人なんているのでしょうか?

一日中、直射日光の下にいれば熱中症や日射病といった危険も伴いますし、溶剤の揮発も塗料の硬化も考えられないほど早くなってしまいますので、ほとんど作業にはならないでしょう。

日陰でパテ付けやパテ研ぎを行い、サーフェイサーまで塗装します。

サーフェイサーを乾かすために太陽の下へ持っていくのは、プロでも日常的に行っているので問題はありませんが、鉄板の歪みを考慮していなければ間違いなく歪みます。

サーフェイサーは艶消しですから研ぎ始めるまで気付かずに、いざ研ぎ始めれば違和感を感じるでしょう。

ここで徹底を冷やしても手遅れなのです。

もちろん、サーフェイサーだけではなく塗装や磨きが終わり、屋外に駐車している場合も同じように歪んでしまいます。

慣れないうちは鉄板を触って歪みの状態を見極めることも難しく、ましてやどの程度伸びているかなども全く判断ができないでしょう。

これだけ伸びているから、このままいけばこれだけ歪む。絞らなければならない。

というのはプロの見方です。

一般的なDIYで判断することは難しいですので、あらかじめ裏側からパテを持っておくことで炎天下での歪みも最小限におさえられるでしょう。