なぜ塗装に足付けは必要なのか?プロが教える足付けの重要性とDIYでもできるテクニック

なぜ塗装に足付けは必要なのか?プロが教える足付けの重要性とDIYでもできるテクニック

いたるところで足付け方法が紹介されていますが、細かな解説を交えて紹介されているサイトを見かけたことがありません。

「足付けを行わなければ剥がれる」という説明しかなく、原理や根拠などの解説が無いため、なぜ剥がれるのかが分からないままになっていないでしょうか?

ここで解説する内容は、塗装初心者からベテランまで、どのような方でも必ず参考になる内容になっています。

特に初心者の方や塗装について勉強をしている方は必見です。

足付け作業の重要性

塗装を行う前に足付けをしなければ、すぐに塗装は剥がれ落ちてしまうでしょう。

塗膜の強度は表面積に依存しますので、単位面積あたりの接着力×実面積=塗料の密着力となります。

1枚のパネルがあると仮定しましょう。
足付けを行うことにより、塗装面が無数の傷へと変わることにより、表面積が何十倍何百倍にも増加しますので、足付けを丁寧に行えば行うほど密着力が強化されるということは理解出来るでしょう。

足付け前の塗装面は、画像のように波打ったようにデコボコとしています。

手で触るだけでは平らに感じますが、鏡面磨きであってもこのようになっているのが本来の塗装面です。

このまま塗装をしても塗膜表面に塗料が乗るだけで、なにかの衝撃や硬化の収縮によって塗膜が割れてしまったり、剥がれてしまいます。

足付けを行うことで塗膜表面に無数の傷が付き、表面積が増えることで密着力が強化されます。

ガラスのテーブルにクロスを敷いてもツルツルと滑りますが、表面がザラザラしている材質の上へクロスを敷くと、引っ掛かりがありクロスがズレにくいのと同様と捉えてください。

足付けを行わなければ塗装が「乗っている」だけの状態ですので、ヘラや定規などで擦るだけでもペリペリと剥がれてしまいますので、塗装後数ヶ月で見るも無残な姿になっているでしょう。

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上記の画像は、知人が自家塗装したものですが、2ヶ月後には見るも無残に剥がれ落ちています。
足付けを行わずにタオルで拭いただけで塗装作業を行ってしまい、後日失敗に終わった代表例です。

この記事を読まれている方の中には、失敗から学ぶために流入している方も少なくないと思います。
失敗し後悔することで、次の改善策を見い出せるものですから、今回の失敗は勉強と考え、次のステップへと進みましょう。

※塗装に失敗して塗装を剥離したい方はこちら。

https://diy-paint.com/archives/74

足付け方法とテクニック

様々なサイトで解説されているように、本来の塗装の艶が真っ白くボケるまで足付け作業をしていきます。
遠目から全体を目視で確認し、艶のある箇所は足付けされていない箇所、ボケ方が甘い箇所も同様にもう一度足付けします。

僕たちプロは、用途に応じて様々な用具を使い分けています。
簡単に足付け可能だが後処理に手間がかかるもの、足付け作業と同時に脱脂も行えるが水を使用するためマスキングまでの時間を要する。

それぞれにメリットデメリットがあり、全てをパーフェクトに兼ね備えた物は存在しません。
用途や予算に応じて使い分けていきましょう。

・水を使わず(空研ぎ)に足付けする方法

業者が用いる方法は、専用のペーパーを当てボディに傷を付けていく手法です。
メリットは短時間で足付けが可能なことですが、デメリットとして粉が舞うため、足付けされている箇所とされていない箇所の見分けが非常に難しいことです。

ペーパーを当て終えた後はタオル等を用いて水拭きをしますが、塗装面が乾くと足付けがされていない箇所が一目瞭然に見えてきます。
足付けがされていない箇所、足付けが浅い箇所をもう一度ペーパー掛けをし、再度水拭きの作業を繰り返すことで全体に傷が付き密着力が増すでしょう。

ここ数年、この空研ぎ手法がメインになっており、水を使うことは少なくなりきている傾向が強く、空研ぎ手法を取り入れている業者も増えてきました。

足付け専用スーパーアシレックスの取り扱い方法についてはこちら

https://diy-paint.com/archives/14

・水を使い足付けを行う方法

水を使わない(空研ぎ)では予め洗車などで泥やホコリを除去しておかなければいけません。
水を使用して足付け作業を行うのであれば、ボディを綺麗にすると同時に足付けも行えるため、並行して脱脂も可能になります。

空研ぎでは時間のかかるタールやピッチの除去、アンダーコートの色飛びなどを比較的簡単に見付けることができるので、2度手間にならない点が最も大きなメリットです。

冬場であれば水も冷たくなかなか作業は進みませんが、夏であれば足付け後の乾燥も早く、作業性は高いと言えるでしょう。

足付けを行う際に用いる物は#1500程度のペーパー、またはスコッチブライトです。

プロが耐水ペーパーを使用して足付け作業を行うことは有り得ませんが、DIYであれば手元にスコッチブライトが無いことも多く、耐水ペーパーを使用することもあるでしょう。
しかし耐水ペーパーでの足付けは、非常に作業性が悪く、時間が掛かるのと同時に当て残しや脱脂はできないため、結果として二度手間になってしまいます。

また、砂などが絡みやすく気付かぬうちにボディに傷を付けてしまい、塗装では消えない傷となる恐れもあります。

このような点から、業者間で耐水ペーパーを使用して足付けを行うことはタブーに近いものがあり、余程のことがない限り使用することはないでしょう。

ほとんどの業者が使用しているものは「スコッチブライト」と呼ばれるタワシ状のクロスです。

スコッチブライトには様々な番手があり、荒すぎるものでは塗装の足付けには適しません。
足付け作業に使用されるスコッチブライトは#800程度のもので良いでしょう。

この際に使用するのが「研磨剤入りの洗剤」です。
足付け、脱脂を同時に行える専用の洗剤を使用することで全ての作業を一度に行えます。

DIYでは、キッチンクレンザーなどを代用品として使用する方もいらっしゃいますが、キッチンクレンザーは粒子が荒く均一ではないため足付けに波が出てきます。

やはり用途に見合った専用のスポンジ、洗剤を使用することで効果が得られるでしょう。

パテ盛りのための足付け

さてここまでは足付けの方法について解説してきましたが、もう少し掘り下げていきましょう。

パテの足付けは#80~#180で行います。

パテの種類により様々ですが、基本的には#120であれば全てのパテが密着すると考えて間違いないです。

塗料と違ってパテは深い傷を付けなければ剥がれてしまうことも考えられますから、なるべく目の粗い傷を付けるようにしましょう。

サーフェイサーの足付け

パテ研ぎが終われば次はサーフェイサーの塗装です。

ここでパテのように深い傷を付けてしまっては、サーフェイサーで埋めきることはできません。

#320~#400程度の番手を使用して足付けをしていきましょう。

#240であってもサーフェイサーを厚塗りすれば目は消えますが、万が一のことを考えればあまりお勧めできません。

ベースコートの足付け

色を吹き付ける箇所の足付けです。

バンパー1本塗装でも、塗り替えであれば全てにペーパーを当てますが、補修であればクリアのみの箇所は細かなペーパーです。

#400~#600

色を塗装する箇所はこの程度の番手で。

クリアの足付け

サーフェイサー周りなどのベースコートを塗装する箇所は先ほどの通りですが、クリアのみの塗装であれば

#1200~#1500で十分です。

深い傷を付けてしまっては、クリアで埋めきることはできませんので、なるべく細かい番手で足付けをしていきましょう。