車の事故修理が遅い!板金屋さんが考察するその原因と対策

車の事故修理が遅い!板金屋さんが考察するその原因と対策

事故の修理は大きく分けて2種類の修理方法があります。

  • 保険修理
  • 実費修理(現金支払い)

現在の修理が、この2つのどちらかによって対応は変わっていきますので、当てはまる項目を参考にしてください。

また、イレギュラーな事例も合わせて紹介していきます。

保険修理の場合

保険加入者と板金工場のやり取りはほとんどありません。

入庫する日と納車される日を連絡する程度で、部品の交換などは保険会社の支払いになるため、お金の問題で修理が進まないという事も無いでしょう。

では保険修理において、どのような状況であれば修理に日数がかかってしまうのか?

保険会社同士の協定が終わっていない

協定ってなに?

という人のために簡単にお話しますと、保険会社が支払い額を決めるための話し合いです。

仮に今回の事故の状況が一時停止無視だとして、責任割合が9:1(一時停止無視が9割)としましょう。

一般的にはこのまま保険会社同士でお話をしてすぐに見積もりが出て作業が開始されます。

しかし

  • ゴネていつまでも責任割合を認めない
  • 猛スピードで突っ込んできた
  • ライトが点いていなくて見えなかった

など、過失が大きい側がゴネる場合があります。

過失割合が決まらなければ、保険会社が支払う金額も決まりません。

金額が決まらなければ板金屋さんも仕事になりませんので、手を付けられずに置いておくことになってしまいます。

なかには「いつか支払われるから先に修理だけやっておく」という工場もありますが、支払われなかった場合のデメリットが大きすぎるため、手を付けない工場が多いでしょう。

現在、保険会社同士の話し合いがどこまで進んでいるのか、一度確認しなくてはなりません。

部品の到着に時間がかかる

  • 新車
  • 古い車
  • 外車
  • 特別仕様車

このように一般的ではない修理の場合、部品の到着に時間がかかり、いつまで経っても修理が終わらないといったことになります。

もう少し詳しく掘り下げていきましょう。

  • 新車

現在の車両が発表され、販売開始間もなく購入。

すぐに事故を起こした場合には、部品の到着が遅れることがあります。

人気車種の場合、納車まで数ヶ月待ちということも珍しくありませんから、メーカーは新車の生産に追われ続けています。

新しければ新しいほど、事故を起こす人よりも新車を買う人の方が多いのですから、補給用部品の生産をメインに行うのではなく、新車の製造をメインに進めていきます。

実際に体験した事例ですが、ワゴンRを新車で買ったお客さんが1週間ほどで自損事故を起こし、バンパーとドアの取り替えとなりました。

ドアはすぐに入庫しましたが、バンパーの到着が25日ほど後になるということで、修理はせずに部品の到着までそのまま乗り続け、部品到着と同時に修理を始めたという事例。

多くはありませんが、新車であれば頻繁に見かけるような出来事です。

  • 古い車

古い車としての定義付けが難しいですが、メーカーは部品の生産を打ち切る年数が決められています。

生産中止になれば、受注生産や中古部品の流用になるため、必然と部品の納入時期も遅くなるでしょう。

古い車の場合、修理業者に「部品が無いかもしれない」と言った旨を説明されことが大半ですから、後々トラブルになるようなことは珍しいです。

仕事が欲しいがために受注だけを行い、あとからお客さんに伝えるというようなよろしくない工場も確かにありますから、工場の見極めは非常に大切で、なおかつ難しいということになってしまいます。

  • 外車

部品1つにしても、そのほとんどは国外からの輸入です。

フォルクスワーゲンのバンパーは南アフリカ製であるなど、本国とは別の国で製造されています。

日本車のように部品屋さんが全てを持ってくるのではなく、部品によっては宅配便などでも到着するため、部品の納期はマチマチです。

あの部品はこの国から買って、ここを経由してようやく到着。

この部品はあの国へ書類を送って、返信後に部品発送。

など、部品によっても購入方法や国が違いますし、必要な書類も変わってきます。

輸入費用という面でも外車は高価ですから、時間とお金に余裕がある人が所有するというのも、あながち間違いではないと感じますね。

  • 特別仕様車

特別仕様車も古い車と同じように、部品の生産中止になることが多いです。

そもそもの需要が少ないため、作り続けてもそれほど出荷できませんし、いつまでも在庫として抱えているわけにもいきません。

基本的に、

  1. 生産中止
  2. 在庫販売
  3. 受注生産
  4. 製造ライン撤去

という流れですから、車が販売されて20年近くは部品の流通はあると思われます。

流通があるだけで、すぐに入ってくる訳ではない点に注意しなければなりませんが。

板金工場がわざと先延ばしにしてる

保険の内容によっては、代車を借りられる特約もあります。

この代車特約を使って借りる代車は、レンタカーでも工場の代車でもなんでも良いのです。

工場の代車を貸し出せば、板金工場には「代車台」として1日数千円(5,000円ほど)の保険金が支払われます。

2日で10,000ですから、1週間で35,000円。

先延ばしにすればするほど工場は勝手に儲かっていきますから、こういった悪質な設け方をする工場もあるのは事実です。

基本的には仕事を速く回したいというのが一般的ですから、こういった事例はあまりありませんが少なからず存在しています。

現金支払いでの修理の場合

保険修理と同じように、基本的には現金修理も全ての修理が終わり、納車された後に支払いをするのが一般的です。

保険修理では、先ほどの協定前に作業を進めるということが無い工場もあるとは言いましたが、現金支払いでの作業は車を預かった時点で作業を始めます。

車を預かった時点で、工場と当事者で話し合いが行われ、どのように修理を進めていくかが決まります。

初めての来店で安く修理をお願いした

保険でも現金でも、1時間あたりの工賃は決まっています。

各自治体の最低賃金ベースで工賃は算出されますから、都会ほど1時間あたりの工賃は高い傾向にあります。

と言うことは、ネットにある板金塗装費用の概算はほとんど参考にならないと言うことになります。

先ほど代車費用が5,000円とお話しましたが、これも地域によって変わってきます。

これより安いところも高いところもありますから、この価格を全て鵜呑みにするわけにはいきません。

さて、参考にならないネットの価格を参考にして安く修理をお願いするとどうなるでしょう?

儲からない仕事をすぐに取り掛かるはずもなく、空いた時間をで進めていく。

価格だけ安くして、仕上がりは丁寧になどという暴論は通じません。

お客さんであっても、ほとんど利益にならない仕事なのですから、リピーターとして迎え入れたい気持ちも無くなってしまいます。

そうなればおのずと作業も遅くなり、お客さんの迷惑など考えることも無くなるでしょう。

工場側の迷惑など考えもせずに自分の意見を通そうとするのですから、結果は見えています。

商売はお互いありきのものです。

お客様は神様かもしれませんが、他のお客様も神様です。

時間が掛かるという旨を伝えられている

修理に、「時間が掛かる」と言われても、その受け取り方は人それぞれです。

もしかすると1日で作業が終わると考えている人もいるでしょうから、そのような人にとっては1週間を過ぎれば異常事態とも取られかねません。

修理の内容によって納期は変わってきますが、1日で終わる板金塗装はほとんどありません。

せいぜい、ミラーカバーの塗装のみと言うところでしょうか。

ミラーカバーは塗装してはめるだけの小さな物ですし、ほとんどの場合は色合わせも必要ありません。

比較する箇所が遠くにありますから、色差が判別出来ないんですよね。

修理にかかる平均的な日数は3日〜4日と言ったところです。

部品の交換があれば1週間かかることも珍しく無いでしょう。

まずは被害状況と平均的な修理日数の照らし合わせから始めてみてはどうでしょうか。

まとめ

保険修理も現金修理も結局のところ、事前の話し合いです。

修理が終わらないことに疑問を抱いてしまう前に、しっかりと打ち合わせをして、お互いに気持ちの良い取り引きを進めていきましょう。

事前の話し合いがあれば、まず間違いなくスムーズに運んでいきますし、変な不信感も抱きません。

何事も打ち合わせをしっかりと。

ということですね。