リヤドアのウェザーストリップが当たるクォーター内側の塗り方

リヤドアのウェザーストリップが当たるクォーター内側の塗り方
この部分の塗り方は修理の状況や工場によってやり方は様々です。
ドアを外してしっかりと塗装する工場もあれば、クォーターのスポット溶接部分の耳までマスキングする工場。
ボカシ部分をどこにするか、それともボカさないのか。
いろいろなやり方があり、それぞれにメリットとデメリットがありますので、順に解説していきます。

ドアを外してクォーター内側を塗装する

ドアを付けたままでは、ロッカーパネルのBピラー付け根が綺麗に塗装できません。
ヒンジ部分には油も多く溜まっていますから、塗料がハジくこともあるでしょう。
さらにリヤドア内側からヒンジにかけて塗装する場合、奥まった箇所の塗装になるため肌の様子が伺えないことも大きなデメリットです。
ドアを脱着するには工賃が発生してしまうため、現金修理の場合はドアをつけたまま塗装することも多いでしょう。
スライドドアではこの傾向が大きく現れますが、スライドドアのクォーター内側を綺麗に塗装することは絶対に不可能です。
この部分を綺麗に塗装したければドアを外す以外に方法はありませんが、やはり費用はかさんでしまう。
反面、ドアが無い状態では広いスペースを確保できるため、太陽光のライトなどを使わずに目視だけで肌の状態が確認でき、気をつかわずに肌の調子がつかめます。
クォーターの修理だけ、さらには隣接パネルボカシ無しの場合は外した方が良いかもしれませんが、3コートパールやキャンディ塗装では、吹き方を少し変えただけでもすぐに色味が変わってしまいます。
塗装を終え、いざ取り付けたときに色が違ってしまってはもう一度塗り直さなければなりませんから、大半の工場ではクォーター内側を塗装したあとにドアを付けて隣接パネルをボカすのではないでしょうか。
ドアを外して塗装する方法は、最も綺麗に仕上がるが最も費用が高いということになります。

ドアを付けたままクォーター内側を塗装する

この方法が一般的ではありますが、マスキングをどこで切るかは工場次第なところもあります。
クォーター内側には、まずはじめに最も外側に近く細い溝があり、次にウェザーストリップが当たる広い面。
そしてインナー側のクォーターやロッカーパネルをスポットしてある面、大きく分けてこの3種類の切り方があります。

手前の細い溝だけを塗装する場合

クォーターを塗装すれば嫌でも塗料は内側に入り込みますから、マスキングしなければクォーター内側、ドアのウェザーストリップが塗料だらけになってしまいます。
ソフトテープを使うか2段目でマスキングテープを折り返して貼るかのどちらかですよね。
ドアと同じように、シーラーが貼られていて段差でマスキングできれば目立たないのですが、クォーター内側はドアを開けてすぐに目に飛び込んでくるパネルです。
なるべく目立たないようにマスキングをする必要があります。
ソフトテープの特徴は、作業は速いがガサガサになってしまう点。
気にならない人もいますが気にする人は気にするので、しっかりと仕上げる工場ではソフトテープを使ってマスキングすることはほとんど無いと思います。
上手に貼ればほんの数ミリ程度しかガサガサにならないため、一般ユーザーにはまず分からないでしょう。
折り返してマスキングする方法は、磨き工程でマスキングの段差を消してあげる必要があります。
カッターなどで切り落としたりペーパーを当てるなどして、綺麗に処理をしなければなりません。
どちらのマスキング方法にするかは、修理費用などと相談するのが良いでしょう。

ウェザーストリップが当たるラインでマスキングをする

ドアを付けたまま塗装すると、塗装が乾燥するまでドアを閉めることはできません。
ウェザーストリップは水が侵入するのを防ぐ役割がありますから、クォーターに強く押しつけられてしまいます。
塗装した直後にドアを閉めたまま1日放置すると、ウェザーストリップに塗料が張り付いてドアが開かなくなり、力まかせにドアを開けるとウェザーストリップが破れてしまうでしょう。
ウェザーストリップが当たるあたりまで塗装した場合、ドアを開けたまま乾燥させなければなりません。
ドアが開いている状態では警告灯が点灯し続けてバッテリー上がりの原因となるため、必ず対策をしましょう。
ほとんどの車ではクォーターの内側に黒く突起したゴムがあります。
この部品が開閉の基準となりますので、プラスもしくはトルクスでネジを外してあげましょう。
スピードメーター付近の半ドア警告灯を見ながらネジを緩めていくと、ネジが緩まるにつれて警告灯が点いたり消えたりします。
このネジはアースの役割をしていますから、ネジを外してしまえばアースが無くなり、ドアが開いていても閉まっていると仮定されます。
ここまでくれば通常通りにマスキングテーブを折り返して貼るか、ソフトテープを使ってマスキングしていくだけです。

インナークォーターと溶接されている箇所まで塗装する場合

ここまで塗装しなければならないほどの事故であれば、ほとんどの場合クォーター交換になると思います。
また修理費用の面から、安く直してほしいから交換ではなく修理と言われた場合も同じです。
例外として、綺麗に塗装する場合や全塗装などではここまでしっかりと塗装しなければなりません。
インナー側との継ぎ目でマスキングをすると、マスキング跡がクォーターのウェザーストリップに全て隠れてしまいますから、一切のマスキング跡は残りません。
最も綺麗に塗装出来る方法ですが、手間と費用がかかりますし、ドアを付けたままではセンターピラー部分のボカシが難しくなってしまいます。
板金塗装で必要とされる技術は完全復元ではなく「分からなくさせる」ことですから、最も目立たない箇所でボカすというのは当然のことです。

折り返して貼ったテープに色を飛ばしてはいけない

クリアが飛ぶだけなら削ってごまかせますが、マスキングテープで色が切れていると削っても綺麗になりません。
ペーパーやコンパウンドを当てれば当てるほど下が出る範囲が広がり、後悔するのは目に見えています。
とは言うものの、明らかな段差があれば削らないわけにもいきませんし、削れば下が出て塗り直しになる可能性も。
塗り直しになる可能性が少しでもあるなら、はじめから塗装範囲を広く取って綺麗に塗装しましょう。