板金におけるハンマリングのコツは?叩くだけでは平らにならない

板金におけるハンマリングのコツは?叩くだけでは平らにならない

ヘコミを裏から叩けば綺麗になるというのは間違いで、ただやみくもに叩いても鉄板がベコベコになってしまうだけです。
板金職人は様々な道具を使用して様々な面、形を復元していきますが、基本的には「あるもの」で済ませています。
金属製の当て版であったり、木製の当て版であったり、は多摩手で修正することもあります。
ヘコミに対する基本的な知識さえあれば、あとは技術を向上させていくだけですから、まずは基本的なことを覚え、ヘコミを直す喜びを感じていきましょう。

ヘコんだ周りは高くなる

溜めた浴槽などに重い固まりを落とすと、水しぶきが発生します。
固まりが落ちた中心部はその重さにより沈み、周りの水は舞い上がるという現象が発生するのは、小学生の理科の授業で勉強しました。
この現象が水ではなく鉄板で発生していると考えてください。
何かの衝撃でパネルがヘコみ、ヘコんだ箇所は低くなり、その衝撃の余波で周りのパネルは盛り上がる。
水のようにしぶきを上げることはありませんが、しぶきを上げる直前で鉄板が固まってしまったと考えれば分かりやすいのではないでしょうか。
おおよそ、ほとんどの人は大きくヘコんだ箇所ばかりに目が行き、そこだけを裏から叩いても綺麗になることは絶対にありません。
仮に裏から叩くだけで平らになったとしても、その周りは高かったのですから、ヘコんでいた周りは高いままになります。
ではどうすればヘコミが平らになるのか?

ヘコんでいる側から当て版で押さえつける

ハンマーで叩いた瞬間に発生する力は、叩いた箇所だけではなくその周りにも発生しています。
ただ鉄板が歪むほど影響を及ぼさないというだけで、少なからず力は分散されているのです。
ヘコんでいる周りは高くなっているのですから、ヘコミの周りを当て版で押さえつけたまま、裏から叩くことでヘコミが治るのと同時に周りの高い箇所が平らになっていきます。
ポイントとしては、軽く押さえるのではなく力いっぱい押さえつけるということです。
叩いた衝撃で鉄板が揺れてしまうと力が逃げてしまいますから、鉄板が揺れないように力いっぱい押さえつけることで、ようやく当て版としての効果を発揮できるのです。
当て版を当てずに鉄板を叩けば、ビヨンビヨンと波打つような音になりますが、しっかりと当て版が当たっていればカチンカチンと高い音が鳴ります。
ヘコミが深い場合のハンマリング初期段階では、カチンカチンとなることはありませんが、衝撃が逃げないようにしっかりと押さえつけてあげれば、カンカンというような音が鳴るでしょう。
・カチンカチンと音が鳴ればハンマーと当て版の間に綺麗に鉄板が挟まっている証拠。
・カンカンと鳴れば力が逃げずに叩いた箇所の周りで衝撃が止められている証拠。
・ビヨンビヨン、ボンボンと鳴ればただ鉄板が伸びてしまうだけで叩く意味はほとんど無い。
この音だけを頼りに叩くだけでもそれなりに綺麗な面は出せますから、必ず音を聞きながらハンマリングをしていきましょう。