【塗装のプロか教える】車のクリアの厚さは?クリアの最適な厚さは?

【塗装のプロか教える】車のクリアの厚さは?クリアの最適な厚さは?

商用車やトラックなど、メーカーがコストダウンのために塗装費用を減らしている場合を除き、ほとんどの車種でクリアは塗装されています。

2005年ころまでは、白や赤、黄色などでクリアが塗装されていない車も多かったですが、色褪せが酷く艶も無くなってしまうため、現在ではほとんどの車種で塗装されています。

クリアには艶出し以外にも耐候性を強化する働きがあり、塗装してあるだけでカラーベースの退色を防止する役割もあります。

また、車種によってもクリアの厚さは違い、高級車であればあるほど熱くなる傾向にありますので、艶の維持も高級車の方が楽だと言えるでしょう。

クリアの膜厚は30〜80μ(ミクロン)程度

1μは0.001mm

30μであれば0.03mmですので、とてつもなく薄い塗装ということになります。

クリアを塗装する回数やその工程、クリアの粘度や塗り方によって厚さが変わり、塗装職人はこの厚さを調整しながら最終のクリア仕上げをしています。

軽自動車のクリア膜厚

30μということはまずないですが、およそ40〜50μ程度が一般的です。

軽自動車のクリアは細かい肌が特徴で、2回程度の塗装回数で仕上げています。

塗膜が薄いので高級感のある肌ではないですし、鏡面磨きをしようにも下地が出てしまうことが多く、あまり磨き込むことも出来ません。

この辺りはさすが軽自動車というところでしょうか。

ここ最近の軽自動車の価格は若干高く感じていますが、塗装の品質は変わっていないように感じます。

Nboxをフルオプションで買えば200万円超えとなるにも関わらず、塗装の品質は軽自動車のままですからね。

塗装屋さんとしては、もう少し塗装の品質を上げて補修しやすくしてもらいたいものです。

レクサスの場合

レクサスの塗装は最高級の塗装ですので、極端な例になりますが解説していきます。

本来、新車のクリアはベースコートの上へ塗装しただけで塗装工程が終わりますが、レクサスは「中研ぎ」という工程がプラスされています。

クリアを塗装後、ペーパーで肌をツルツルにしてから仕上げとしてもう一度クリアを塗装します。

こうすることで仕上がりが鏡面に近い艶になり、高級感のある肌を作り上げることが出来るわけです。

これを軽自動車でやろうものなら価格も跳ね上がり、売れなくなるのは目に見えていますから。

単純に、高い車の塗装は手間が掛かっている。

安い車の塗装は手間を省いている。

中堅クラスの車は塗装も中堅ですので、相応の塗装ということになります。

どちらの塗装がベストか

ユーザーによる。

というしか無いでしょう。

安い車で高級な塗装をするには、鈑金屋さんで塗装してもらうしかないですし、DIYでレクサスの塗装肌を再現できれば、もうそれはレクサスではなくなります。

参考までに、軽自動車をレクサスの肌にする費用は10万円〜と考えてください。

これはクリアだけの費用なので、ベースコートの色も変えるとなれば50万円ほどは覚悟しておくと良いです。

鈑金屋さんの塗装膜厚

こればっかりは人によりけりと言うしかないでしょう。

下手な人は厚塗りしてツルッとさせますし、上手い人は薄塗りでもしっかりと肌を合わせて磨きもゴミを取る程度で終わらせてしまいます。

クリアを塗り込めば100μは超えてしまいますし、上手い人は40μ程度で仕上げます。

クリアの塗り過ぎによって塗装の劣化が速まるということはなく、どちらかと言えば薄い方が劣化はしやすいです。

修理などで一言「クリアを1回多く塗装してほしい」と言えば相談に応じてくれる業者もありますので、一度相談してみましょう。

余談的な豆知識

今回のクリアの厚さには関係ないですが、レクサスが発表された当初に塗装方法を調べてみたことがありました。

その時に「中研ぎ」の事実を知って驚いたのですが、もっと驚いたのは、レクサス以前に新車で中研ぎを行っていたのは、ラッカー塗料を使っていたころのロールスロイスだけだったという事実です。

ラッカー塗料は1液ですから、硬化せずに乾燥するだけです。

乾燥するだけなので塗料の吸い込みや艶引けも凄まじく、これを中研ぎで鏡面にして艶を出していたというのですから、今のレクサスとは比較にならないくらい手間がかかっています。

2液ウレタンの中研ぎは簡単ですが、ラッカーを中研ぎして艶を出すなんて、どんな塗装屋さんもやりたくないくらいの手間なんじゃないですかね。

とまぁ、小さな余談になりましたが、クリアの塗装は本当に難しい。

毎日が練習と本番の繰り返しです。