価格が安いことから1液型のクリアを選ぶことも少なくありません。
しかし、なぜプロは2液型のクリアしか使わないのでしょうか?
ここではプロがなぜ2液にこだわり続けるのか、1液を使わない理由など、記事を読み進めて行けばその理由も全て解決できることでしょう。
そもそも1液型は硬化しない
これが一番の要因です。
2液型は硬化剤が入っているから硬化する。
1液型はシンナーのみしか入っていないため、乾燥しかしない。
乾燥していると言うことは、乾いているだけの状態ですので、固まっているわけではありません。
ガソリンなどの弱い有機物質でも簡単に塗膜へ入り込み、シミの原因にもなります。
反面、硬化していれば塗膜の表面にガソリンが乗っているだけですので、すぐに拭き取れば塗装へのダメージは全くありません。
これが2液型塗料、硬化する塗料の最も大きなメリットとなっています。
1液型クリアを使用する環境
プラモデルなど、屋内や日陰などの涼しい環境であれば1液型でも問題はありません。
プラモデルにガソリン入れることなどますありませんし、有機溶剤が付着することもないでしょう。
木材のニスなども同様に1液型のクリアですが、やはりこれも屋内での使用や雨ざらしでも気にならない程度の質感しか維持できません。
1液型のクリアは、自動車には使用しないということを忘れずに覚えておきましょう。
車の内装塗装にも使わない方が良い
外装は先ほど書いたとおりですが、ガソリンなどが付着しない内装の塗装でも同様です。
1液型は乾燥しかしていないので、室内の温度が上昇した場合に塗料が軟化してしまいます。
軟化した状態で触ればグニャっと剥がれてしまうことも有り得ますし、最悪の場合は熱くなりすぎて自然に剥がれてしまいます。
また、温度が上がれば塗料の臭いも発生しやすくなったり、経年劣化で手で触るとベタベタとしてくることもあります。
基本的には価格以外でメリットはありませんので、よほどのことがない限り2液型のクリアを選択しましょう。
ベースカラーは1液でも良い
トップコートのクリアが2液であれば、ベースコート(色)は1液でも良いです。
基本的にプロも同様に、ベースコートを1液でトップコートを2液で塗装する場合が大半です。
ベースコートは1液型ウレタン、もしくは水性で塗装。
トップコートは2液型のウレタン。
ソリッドではベースコートを2液型で塗装する場合もありますが、現在のほとんどの車はメタリックやパールなどが入っているため、1液型で塗装します。
トップコートが硬化していれば、表面に付着するガソリンなどの影響もベースコートまでには及びませんので、作業性の高い1液型ベースコートを選択することは最も良い方法と言えるでしょう。
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