【板金塗装屋が考察】油性塗料と水性塗料、どちらがベストなのか

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ここ数年で水性塗料を使用している企業は飛躍的に増えてきました。

特に新車塗装のクリア以外は全て水性塗料です。

こうなった経緯は環境への配慮が最も大きく、ISOなどの環境管理を行っているのであれば排出汚染に対応していかなければなりません。
2006年の4月に大気汚染防止法が施行されましたが、自動車用の塗料に含まれる有害物質も削減の対象となりました。
そして、日本も海外の環境基準に合わせて水性塗料をしようするようになります。

しかし、環境に適しているからと言って、塗装の耐久性の面ではどうでしょうか?

なぜ未だにクリアだけは2液を使っているのでしょうか?

水性塗料は有害物質はほとんど出ない

新車のラインであれば1日に数百キロの塗料は簡単に使ってしまいます。

工場から出る有害物質の量は、町工場とは比べ物にならないくらい大量なものでしょう。

町工場が数十年かけて排出する量の有害物質を1日で排出してしまうのですから、新車のラインで水性塗料へ変更することが、環境への配慮としていかに重要か想像できるでしょう。

水性塗料は品質管理にコストがかかる

町工場で水性塗料が広まりにくい点として、コストがかかることが挙げられるでしょう。

水性塗料はその名の通り水ですから、時間とともに腐ってしまいます。

保管馬所の温度を常に一定にして、塗装の温度も一定にしておかなければなりません。

高すぎれば蒸発して乾燥してしまいますし、低すぎればいつまで経っても乾燥しないため、塗装ができません。

氷点下であれば凍ってしまいますので、塗料を配合することすらできなくなってしまいます。

反面、油性塗料であれば暑くても乾燥は速いだけですので、50℃や60℃の気温でもなければ塗装は可能です。

氷点下では硬くなりますが、調色の配合は普段通りに行えますし、10年近くは同じ塗料を使い続けられます。

塗料が乾燥してしまってもシンナーを入れて溶かしていくだけですので、すぐに再使用が可能です。

このように、一般的な板金塗装工場では油性塗料をメインに使っている工場が多く、全てが水性塗料に切り替わることはまずあり得ないでしょう。

水性塗料と油性塗料、どちらが良いのか

冒頭でも書きましたが、新車の塗装もクリアは油性です。

なぜでしょう?

そうです、水性塗料は耐候性に問題があり、外観を保護するトップコートとしての役割としてまだまだ不十分なのです。

下塗りまでしか水性塗料を使えないのですから、傷などでクリア層が剥がれてしまえば油性塗料よりも劣化が速いということになります。

むしろ、新車の塗装よりも板金工場で修理した塗装の方が長持ちする可能性すら存在します。

塩害ある地域に住んでいる人はすぐに分かるでしょうが、ナントカRで有名な某S社の軽自動車は錆びやすいですよね?

特にリヤフェンダー(クォーター)のタイヤ上。

2006年4月から環境への配慮が強くなってきたのと同じ頃の車が錆びている。

まず間違いなく錆びている。

これは水性への切り替えが上手くいかなかったか、水性塗料の品質が劣悪だったからではないでしょうか?

水性塗料を導入している企業は油性塗料を嫌う

明確ですが、自社で修理してほしいから油性塗料を使っている工場を叩きます。

このサイトは企業情報など一切無く、板金塗装を一人で行っている僕が情報発信のために書いているだけです。

営業のつもりも一切なく、世の中に溢れているデマを一新したい気持ちで書き続けています。

とある水性塗料を導入している板金塗装の企業サイトでは

  • 水性塗料の上へ油性塗料を塗装することはNG
  • 油性塗料の上へ水性塗料を塗装することはOK
  • NGな理由は、有機溶剤で水性塗料が溶ける
  • OKな理由は、有機溶剤の上へ水を吹き付けるだけ

おかしいですよね?

水性塗料を導入している工場など1割にも満たないのですから、この説が正しければ世の中トラブルだらけです。

自動車はもちろんのこと、住宅の外壁塗装だって剥がれ落ちてしまいます。

完全に呼び込みとしての営業にしか見えません。

水性塗料を使用している工場はHPもしっかりしていて、集客も上手です。

工場も綺麗で、ペンキを扱う会社というよりは、ある種のショップ的な面も見えます。

もちろん水性塗料を導入して環境へ最大限の配慮をしていることは素晴らしいですが、こうも嘘っぱちを書かれてしまってはという気持ちもありますね。

水性塗料はまだまだ発展途上

油性塗料は2液から1液になり、作業性も最大限に改善されましたので熟成された感はあります。

クリアに関してはまだまだ良いものが出続けていますが、ベースコートはほぼ打ち止めでしょう。

この点、水性塗料は耐候性の面で不備が多いため、自動車や工作機械などの酷使された環境ではまだまだ使えないでしょう。

船舶塗料は数十年も変わらずに2液塗料なのですから、粉体塗装よりも2液塗料の方が防錆効果が高いことは立証済みです。

水性塗料はまず粉体塗料へ追いつき、そこからさらに2液塗料の性能を超えなければなりません。

水分に反応して硬化する2液塗料を超える日は来るのでしょうか。