【プロが解説】塗装が剥がれる3つの原因とその対策方法

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誰でも剥がれている塗装を見かけたことがあるでしょう。

塗装剥がれの原因は1つではなく、原因や状態によってその対策も様々です。

今回は、毎日塗装を行っている板金塗装のプロが、塗装剥がれの原因と対策について細かく解説していきます。

応急処置から完璧に綺麗になる方法まで詳しく解説しますので、ここを読めば全て解決するでしょう。

塗装が剥がれる決定的な要因

塗料が密着しなくなったことが原因です。

本来、塗料と被塗物(塗装対象物)は塗装された時点で密着していますが、塗膜のトラブルや被塗物のトラブルで剥がれてしまいます。

稀に、下処理方法が不適切であった場合には塗装が数日で剥がれてしまうことがありますが、このトラブルについても項目ごとに順を追って分けて解説していきます。

内部に水分が侵入し、塗装が剥がれてしまう

塗装をした段階では、塗料は1枚のシールのように被塗物をコーティングしています。

ここには空気も水も入るスペースはありませんが、傷ができてしまったりなんらかのトラブルにより塗装の内側へ水が侵入することで塗装が剥がれていきます。

仮に水が100℃で蒸発したとしましょう。

水が蒸発することで体積は1700倍にまで膨れ上がってしまいます。

塗膜の間に水が侵入するだけならトラブルにはなりませんが、蒸発する際に体積が増加することによって水蒸気が行き場を失い、徐々に塗装が剥がれてしまうのです。

車の中にペットボトルを入れておくと爆発する危険性があるように、塗膜へ侵入した水分が蒸発する際に塗装へダメージを与えてしまいます。

大きく剥がれてしまった場合の対処法

残念ながら、応急処置として効果的な方法はありません。

剥がれた箇所を紙ヤスリなどで削り、ペリペリと剥がれなくなるまで当て続けます。

剥がれなくなった塗膜には、水が侵入する隙間はありませんので、この上から新たに塗装を行うことで以前の塗装「1枚のシール」のように復活するでしょう。

欠けた程度の小さな剥がれの場合

応急処置の方法は、欠けた箇所だけをタッチアップするだけで広がりは防止できます。

ホームセンターなどで販売されているどのような塗料でもかまいません。

塗料にフタをし、不純物の侵入を防ぐためにタッチアップしましょう。

綺麗に直すのであれば、先ほどと同じく紙ヤスリなどで平らにしたうえで1枚全てを塗装します。

錆の発生により塗装が剥がれた

水分の侵入から数ヶ月や数年経過することで錆になり、塗装が剥がれ落ちてしまいます。

また、塗装剥がれが塗装上からではなく、鉄板側からの場合は、どこか違う箇所から水が侵入して水溜まりとなって錆が発生しているでしょう。

車で言うと、サイドステップ(サイドシル、ロッカーパネルとも言う)の上から水が入れば抜ける穴はありませんので、数年で鉄板が腐り落ちてしまいます。

特に多い事例が、縁石などにぶつけてそのままにしている事例です。

ぶつけた箇所から水が入り、鉄板が変形しているため一箇所に水が溜まってしまいます。

車へ潜り込まなければ目視できないため、見落としやすく気づいた頃には錆びてしまっていることも多いでしょう。

欠けた程度の傷から錆が発生し、塗装が小さく剥がれた

まだ応急処置でなんとかなります。

紙ヤスリで錆を落とし、タッチアップするだけで広がりは防げるでしょう。

剥がれていない塗装の下にも錆が発生しているので、塗装の状態をよく見て錆の色が出ている箇所全てを紙ヤスリで落としていきましょう。

ここで全ての錆を落としきらなければ、また数ヶ月後に再発してしまいますので、念入りに錆を落としていきます。

数センチほどの大きさの錆が発生し、塗装が剥がれた

どの程度が大きな範囲というのは個人差がありますが、個人的には5cmもあればかなり大きな塗装剥がれです。

錆の範囲が広ければ広いほど、錆の進行も速くなりますので、思った以上に深刻な場合が多いです。

紙ヤスリで対応できない場合が多く、錆だけではなく鉄板も削って錆を落とさなければ全ての錆は取り切れないでしょう。

グラインダーなどの専用工具を使って錆を落としますので、DIYでやるには少しだけ難易度が高いです。

もちろん「それくらいできるよ!」と言う人もいますので、グラインダーなどを使える人は使い、危険を伴う工具ですので、プロに依頼するのも良いかと思います。

とにかく、全ての錆を取り除かなければすぐに再発します。

タッチアップなどの簡易的な方法で対応できるものではなく、缶スプレーやハケ、筆などで塗装しましょう。

決して綺麗な仕上がりになるわけではなく、あくまでも応急処置としての対策です。

錆で鉄板が腐り、鉄板がボロボロになっている

触るだけで穴が空いたり、釘を軽く刺すだけで貫通してしまうような場合も同じです。

こうなってしまえば応急処置どころではなく、錆びた鉄板を切り取って新たに鉄板を溶接しなければなりません。

簡単にできるものではなく、プロにお願いするしかないでしょう。

もしこの程度の作業なら出来ると言う人がいるなら、もうそれは限りなくプロに近いアマチュアです。趣味の域を超えた趣味ですね。

直せないものを下手に触るのではなく、そのままなにもせずに修理を依頼するのがプロにとっては最も良い方法です。

素人の人がどんな塗料を使って作業したか分からないと言うことは、プロが困る要因の1つです。

※下の記事は、腐りきって交換を余儀なくされた事例が紹介されています。

参考にしてください。

https://diy-paint.com/archives/398

塗装前の下地不良

見た目には綺麗なのに、突然ペリペリと剥がれてくることがあります。

塗装前の工程でしっかりと作業を行っていれば防げたので、もう一度作業を振り返り、おかしな箇所が無かったか確認してみましょう。

油分などがある状態で塗装を行った

脱脂を行わなければ剥がれてしまいます。

確実に行ったつもりでも、どこか甘い箇所があればそこから剥がれてしまいますので、脱脂工程で手を抜くと全てが台無しになってしまいますので、確実に行いましょう。

また、脱脂後に数時間以上放置したり、何度も素手で触ったりすることも塗装には良くありません。

手に付いた微量の油分が密着力を低下させてしまいます。

足付け不足による塗装剥がれ

この現象で一度剥がれたことのある人なら分かると思いますが、足付けはかなり念入りにやらなければ密着力はほとんど向上じせん。

とにかくガシガシと、「もうこれだけやれば大丈夫!!」と自信を持って言えるほどまで足付けを行いましょう。

※詳しい足付け方法とその必要性について詳しく解説しています。

https://diy-paint.com/archives/12

塗料の相性による密着不良

異なる性質の塗料を使うと起こることがあります。

例えば、ウレタン塗料の上へラッカー塗料を塗装すると、強力な溶剤が下の塗料へダメージを与え、そのまま剥がれてしまいます。

2液型の塗料は硬化剤が入っていますので上塗り塗料の影響はありませんが、1液型塗料は乾燥しかしないため、上塗りの塗料の影響をそのまま受けてしまいます。

上塗り塗料の溶剤分が下塗り塗料へ溶け込み、塗装が剥がれてしまうのです。

目に見えて明らかですので、このようなトラブルになった場合はヘラなどで塗料を剥がし、再度足付け工程へ戻りやり直す必要があります。

まとめ

塗装剥がれは深刻な状態にまで至ってしまうことも珍しくありません。

発見次第すぐに処置をし、錆になる前に正しい方法でトラブルを回避しましょう。

数百円で済むものが、放置することで数万円にまで膨れ上がってしまいます。