クリアの間隔を開けすぎると塗装が剥がれる。剥がれるメカニズムと適切な乾燥時間

クリアの間隔を開けすぎると塗装が剥がれる。剥がれるメカニズムと適切な乾燥時間

クリアまで72時間や2日空けました!と耳にすることがあるのですが、空けすぎです。

剥がれます。

剥がれない塗料もありますが、塗料の品質が低いので艶を維持できません。

インターネット上には様々な情報があり、嘘か本当わからないのが事実です。

書いた人が誰なのかも分からないですし、その情報に信憑性もありません。

しかしこの記事を書いているのは、板金塗装を行っている人が書いている記事ですから、塗装のプロ。

なぜクリアまでの間隔を空けすぎると剥がれてしまうのでしょうか?

クリアが密着しない

塗装前に足付けを行わなければ塗装が剥がれてしまうのは知っていますよね?

※足付けの重要性について詳しく解説している記事がありますので、参考にしてください。

https://diy-paint.com/archives/12

しかし、ベースコートを塗装後に足付けを行ってしまえば色が変わってしまいます。

ソリッドであれば色は変わらないですが、ほとんどの場合はメタリックやパールなどが入った2コートの塗装です。

基本的にベースコートの上へ足付けすることは不可能ですから、ベースコート塗装後にそのままクリアを上塗りすることとなります。

このクリアがベースコートと密着するのは、ベースコートが完全乾燥(完全硬化)していないからです。

完全に乾ききってしまえば、足付けをしていない状態とほぼ同じようなものでそのままクリアを塗装してもただクリアが載っかっているだけです。

1ヶ月もしないうちにペリペリと剥がれてくるでしょう。

ベースコートが指触乾燥(指で触れる程度の乾燥具合)した段階でクリアを塗装すれば、ベースコートの塗料とクリアの塗料が馴染み、しっかりと食いついてくれるのです。

1液塗料の上へ1液塗料を塗れば剥がれない

ラッカー塗料の上へラッカー塗料を塗装すれば剥がれません。

1液のアクリルやウレタンでも同様です。

1液塗料の性質上、塗料に含まれているシンナーが非常に強力です。

この強力なシンナーが下塗り塗料を溶かし、密着してくれるので剥がれることはないでしょう。

下が2液、上が1液なら剥がれます。

2液は乾燥ではなく硬化していますので、ガソリンなどの溶剤をこぼしてしまってもすぐに拭き取れば跡にはなりません。

1液塗料は乾燥しているだけですから、ガソリンでも溶けてしまいます。

この溶けた溶剤が上塗り塗料と結合して密着するということです。

しかし1液塗料は、密着はするが塗料自体の品質が悪く長持ちしないのが特徴なのです。

1液塗料は絶対に硬化しない

新車や補修用に使われているベースコート塗料は、水性やウレタンの1液塗料です。

クリアは2液。

なぜクリアは2液でベースコートは1液なのか?

それは、1液塗料は硬化しないため耐候性に難がある。ということです。

先ほどのガソリンのくだりで解説しましたが、弱い溶剤でも簡単に溶けてしまいますので、1液は塗膜が非常にもろいです。

ガソリンがこぼれてしまったくらいで塗装が変色してしまえばすぐにクレームとなり、メーカーも手を焼いてしまうでしょう。

さらに、耐候性も弱いために雨と日差しの繰り返しですぐに艶がなくなってしまいます。

洗車を繰り返せば塗膜が薄くなり、白く変色して艶を復活させることは不可能になってしまうでしょう。

クリアまでの適切な乾燥時間は数時間まで

プロでも同様ですが、乾燥時間は長くても1時間〜2時間程度です。

5,6時間までは問題なくクリア塗装へ移行できますが、それ以降はクリア剥がれのトラブルにもなりかねません。

何度も言うように、下が乾燥しているところへ上塗りを行っても塗装が乗っているだけですので、絶対に密着しません。

基本的にはベースコート塗装後、10分〜15分程度の乾燥で十分すぎるほど間隔は空いています。

空け過ぎれば剥がれてしまいますので、可能な限り当日中に塗装作業を終えられるようにしましょう。